慶應のビジネスコンテストで前年比2.5倍のプランを集めた男が語る「学生と起業」

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慶應のビジネスコンテストであるKBC実行委員会で2015年度代表を務めた仲川英歩氏は、前年比2.5倍、人数だと100名を超える学生に応募してもらう、という快挙を成し遂げた。 そんな仲川氏に2015年度KBC実行委員会の狙いと総括をしてもらった。

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鈴木:まず、KBCの代表をやろうと思ったキッカケから話してもらおうかな
仲川:1年の時から、幹部メンバーとしてアクティブに活動していました。元々自分でベンチャーを起すこと、支援すること両者に関心があり、その中でKBC Business Leverageという起業支援プログラムを自分達で企画設計して、運営していき、実際に学生ベンチャーを育てる活動は、自分にとっても学生団体としても非常に意義ある活動だと感じていました。
ただ、自分が1年目の時に運営していて、もっとここを変えたらこのプログラムは上手くいくなとか、結構課題点が見つかって、それを実際に主体的に変えて運営していきたいと思い代表のポジションにつきました。
鈴木:具体的には、どういう部分を変えたいと思ったのかな?
仲川:当初KBC Business LeverageはKDDIの無限ラボのアクセラレートプログラムがモデルになっていましたが、あまり近づいていなかったような気がします。プロトタイプを先に作って、それを実際に仮説検証を繰り返しながら、進めていくのが理想でしたが、どうもそのサイクルがうまく回っていなかった。ピボットという恰好良い言葉を使って、軸足もないまま全然違う事業に転換するチームも少なくなかった。
その中で、より短いサイクルで自分達のやりたい軸をすえて、事業をブラッシュアップしていく進め方を模索していました。
少し話はとびますが、なんだかこのモデルってYcombinatorに似てるなーとちょうど去年の今ごろ思っていたら、KDDIの無限ラボの方が、無限ラボはYcombinatorをモデルにしたプログラムだったということを聞いて、納得がいきました。
それから今年は、KBCメンバー全員でYcombinatorの支援体制を勉強して、本を輪読して、どういう特徴があってどのような構成であれば良いか徹底的に話し合いました。
その結果、
・期間は短めにする代わりに、とにかくメンター、参加者、KBCメンバーの距離を縮めること
・リーン・スタートアップが体現できるようなプログラム設計にすること
この2点を徹底的に意識して作りこみました。
また、学生団体としてお金ではない支援価値を考えた結果
・合宿形式のブラッシュアップイベント
・最後の副賞にシリコンバレー研修
を新たに設置しました。
鈴木:賞金あげるタイミングは最後だけだったよね。
仲川:昨年までは、活動支援金を2次選考通過した5チームにわたしてました。たしかにYcombinatorも最初に少額出資をして、事業を回していくのですが、学生にお金を渡しても上手くつかってもらえないというのが印象でした。それに10万とちょっと少額といえば少額なので、その分のお金をカットし、合宿の開催費用とシリコンバレー研修にあてました。
鈴木:その施策は結果を見るとうまくいったように見えるけど、自己評価はどう?
仲川:良かったと思います。参加チームも合宿と研修の満足度は高かったので。ただ、今年の参加チームは実際にプロダクトありきで回しているチームが多かったので、使い方をうまく示せば支援金があっても良かったのかなと思います。
鈴木:今回の慶應ビジネスコンテストは例年より質が高い印象を受けたけど、その要因はどういうところにあると思いますか?
仲川:今年は応募件数が非常に多かった
例年の約2.5倍以上の案件数で、人数だと100名を超える学生の方に応募いただきました
プログラムの始まりから、書類選考を通過したチームはレベルが高かったですが、事業に対する熱意はどのチームも大きかったです。ターゲットはアイディアはあるが、実装力に欠ける学生チームとしていましたが、実装力のあるチームも多かった。
鈴木:なるほど。僕は「実装はできるけど、アイデアがイマイチなチーム」とかの方がサポートしやすいのかなと思ったんだよね。どんなに技術が素晴らしくてもマーケットが適切じゃないとビジネスにはならないので
仲川:たしかにそれも一理ありますね。実装力あって、なんかやりたい人が集まってやるものやってみたいですね。

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鈴木:KBCも10年を迎えたわけですが、学生の起業を見ていて、最大の課題は何だと思いますか?
仲川:ブームで終わりがちなとこでしょうか。結構カンファレンスイベントとか増えてきて、ビジネスコンテストも溢れていて、起業っていう言葉に引っ掛かる機会は多いけれど、ちょっと触れて、少し浸かってみて、ぬるくなったら、やめちゃうみたいなそんな学生が多いんじゃないかなーと思います
鈴木:今の学生って起業したいって人は結構多いのかな?
仲川:本気度はバラバラですが、多いとは思います。ただ、KBCが拠点にしているSFCでは怪しいかもしれません
鈴木:リーンスタートアップって珍しいときはよかったんだけど、まわりもやりだすとほぼ同じサービスが大量に出てきちゃうデメリットがあると思うんだよね。KBCを1年運営してきて、反省点とかはあるかな?
仲川:色々あります、団体運営って思った以上に難しいです。色々新しい取り組みをしたかったら、とにかく面白い一年生を沢山いれることに注力していた。ただ、結構興味も分散していて、自分がうまくビジョンを明確に示せずうまく巻き込めなかったこともよくありました。
鈴木:仲川君個人としては今後どういう活動をしていくのかな?
仲川:来期から着任される琴坂将広先生の研究会の立ち上げを行い、卒業まで師事します。国際経営学がテーマです。KBCのこともサポートしてくださるそうで、うまくコラボしたいなーと思います。それと、自分で一度事業をやります。まだお伝えできませんが、KBCの活動を通してやっぱプレイヤー側にならないと多角的な目線が持てないと感じたので。KBC自体ももうちょっとプレイヤーの要素を身につける活動をしていくべきだと強く感じています。起業支援をしたくて来るメンバーってそんな多くなくて、基本的に自分で何か事業をおこしたいメンバーが多いので
鈴木:そうだね、支援は起業して成功してからでいいと思うな
仲川:多分今年のKBCはちょっとずつ変わると思います。プレイヤー側に回ってみるとか、もっと海外に向けてアプローチするとか変えていけるように僕らもサポートしていきます。
鈴木:その方向いいと思います!